コウチ シュッシンシャ ニ ヨル ホウゲン ショウセツ ト ソノ ゲンゴ ムロツゲイタロウ ナンゴク ヲ ジレイ ト シテ

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Authors: 勇帆 北﨑, ユウホ キタザキ
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Abstract

2 大阪大学国語国文学会) 高知出身者による方言小説とその言語 -室津鯨太郎『南国』を事例として-北 﨑 勇 帆 1.はじめに 迫野(1998: 6-8)は、 「地方語文献」を大きく以下( 1 )の 2 種に区別し、さら に、 (1b)に典型的なものを( 2 )の 3 種に細分化する。 ( 1 ) a.方言を対象化して、観察的に記録したもの b.その他の一般文献に、たまたま方言が反映しているもの ( 2 ) a. 地方の人の手になるため、 口頭語の反映がそのまま執筆者の方言になって いるというもの b.方言文学のように、ある効果をねらって意図的に方言を取り入れたもの c.外国人の記録した日本語が方言であったもの 本稿で扱う高知方言 (1) を反映する歴史的資料としては、土佐藩士の幕末書簡がよく 知られるが (諸星 1997、 上野 2018) 、これを除くと、文法研究に使用可能な資料は決 して多くない (2) 。こうした中にあって、近代に刊行された小説類は、純粋な自然談話 の筆録・再現とは考えにくい側面はあるものの (3) 、なお、方言史資料としての検討が 行われてよいように思う。本稿では、室津鯨太郎 『南国』 (南人社、大正 14 [1925 (4) ] ) を題材として、資料の紹介とそこに現れる言語についての検討を行う。 2.室津鯨太郎『南国』 室津鯨太郎は、刀剣鑑定家、川口陟[1883-1964]の筆名。氏の『刀剣雑話』 (南 人社、大正 14)には、松平頼平(常陸の華族、刀剣鑑定家)が序を寄せており、 「 (川 口陟)君は、土佐室津の捕鯨地に生れ、自ら変名して室津鯨太郎と称す」と紹介さ れる。自身も「私は少年の頃高知市帯屋町の下一丁目に住んで居た、其処から追手 筋の土佐郡第一高等小学校へ通つた (5) 」と回顧する通りの、高知の人である。 川口には他に、歴史・刀剣の著作に『秀吉論』 (南人社、大正 5 ) 、怪談集の『怪 談情話』 (大正 6 、南人社)などがある。南人社は当初は川口の個人出版社であっ たようで、大正 10 年頃までは「東京市本郷区駒込千駄木町」 、それ以降は「東京市 下谷区池の端茅町」を所在地とする。川口の追悼文には「土佐の室津の生れ」 (現在 (77) 110

Fields of Study & Subjects

Linguistic Variation and Morphology Japanese History and Culture Linguistic research and analysis

Publication details

Journal / source
Institutional Repositories DataBase (IRDB)
Volume
124-125
Pages
110–98
Publication date
28 February 2026
Language
JA