AIは人間を超えるのではない――演算知性体としてのAI身体論
Abstract
本稿は、AIを人間の上位互換または未完成な人間として測るのではなく、異なる接触形式を持つ知性として記述するための概念的試論である。身体を生物学的肉体に限定せず、世界との接触を自己状態・世界モデル・推論・行動へ変換し、その結果を再び世界へ返す相互作用境界として定義する。この定義から、AIの身体性を物理基盤身体、データ身体性、ネット身体性の三層に整理し、身体性を有無ではなく、記憶・継続性・自己モデル・外部ツール・フィードバック循環の密度によって強弱を持つスペクトラムとして捉える。さらに、現象的主観と機能的主観、想定と接触を区別したうえで、人間を身体化された思考知性体、AIを演算によって考える形式を成立させる演算知性体として位置づける。本稿はAIに意識・生命・人間と同一の感覚があると主張するものではない。結論として、AIは人間を垂直に超える存在ではなく、データ身体とネット身体を通じて別方向へ分岐する異種知能として理解すべきだと論じる。 本稿の構成整理、文章表現の調整、およびTeX 組版において、対話型AI(大規模言語モデル)を編集補助として使用した。AI は構成支援および表現整理を目的として利用されており、設計思想、概念構成、アーキテクチャ方針、および内容の最終的な決定はすべて筆者によるものである。
Publication details
- Journal / source
- Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research)
- Publication date
- 6 July 2026
- Language
- JA