成立報告と言語規則の限界:必然性命題の非生成に関する超越論証

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Authors: Hiroki Yamashita
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Abstract

本論は,「成立したゆえにそれを成立させた必然的根拠がある」という推論において,必然性命題を生成する推論規則が成立判定体系において構成可能かを検討する。ただし根拠の存在そのものは否定せず,成立報告の推論規則の構成可能性のみを扱う。まず,否定および出来事同定が成立判定の対象となるための条件を不可記述性テストによって導出する。すなわち,同一帰属および分岐閉鎖を除去すると当該操作は成立したものとして記述不能となるため,これらは成立の必要条件である。ここから成立条件とは成立を生む条件ではなく,成立を成立として記述可能にする条件であることが確定される。またこの判定規則は心理状態・存在仮定・言語規約といった解釈に依存しない。 次に,成立を報告する操作に対し同一の判定規則を適用すると,成立報告は記述可能である一方で,その成立条件自体は成立命題として記述不能となる。ゆえに成立報告から成立条件の必然性を導く推論規則を追加すると判定体系は保存されず,必要条件導出規則と必然性導出規則は同一体系に属しえない。この結果,成立報告言語において必然性命題を生成する規則は構成できないことが示される。 したがって成立語彙は成立の必要条件を与えるが,その必然性命題を生成する規則を含まない。説明は出来事の同定を確定するが,必然性命題を生成しない。一般に任意の操作 R とその成立条件 C に対し,R の成立は C を必要とするが,R の成立報告から C の必然性命題は導出されない。本論は以上を,成立報告言語における必然性命題の非生成を示す超越論証として与える。

Fields of Study & Subjects

Epistemology Ethics and Metaphysics Philosophy and Theoretical Science Logic Reasoning and Knowledge

Publication details

Journal / source
PhilPapers (PhilPapers Foundation)
Publication date
1 January 2026
Language
JA
Document type
Book